現場が生んだIoTでコストを削減〜タイ中小製造業のIoT導入

現場が生んだIoTでコストを削減〜タイ中小製造業のIoT導入

東南アジア・タイでの製造業向けIoT(Internet of Things)導入が増加の傾向にあります。

理由として、タイの製造業において、タイ人だけで現場をまわすようにするための”現地化”を行うにあたって、IoTを使ったソリューションが適しているためだと言えます。

とはいえ、IoTや生産管理システム等のIT製品はツールでしかありません。そのため、タイ人に合ったツールの導入が必要になります。
そこで、現地化を考えるにあたって、タイ人の働き方を今一度、見直してみます。

タイで働く上での課題である、”日本人とタイ人の働き方や考え方の違い”

製造現場において、「タイ人は自分の判断(責任)を伴う仕事になるとテンポが悪くなる」といった声を聞きます。
タイ人から改善案を出してもらいたいと思っていても、タイ人スタッフからの改善案が上がらないといった企業様も少なくありません。

ここにタイ人と日本人の働き方の違いがあります。

日本人の多くは自分の関係する業務全般を意識して仕事を行いますが、タイ人の働き方は『自分の与えられた領域のみでの働き方』を好みます。

改善提案を行うと責任が伴うため、意見を言わなくなり、タイ人に現場を任せても、結果的に日本人が必要になり現地化ができないといった悪循環が生まれてしまいます。

また、タイ人に主体的に動いてもらうことを考えた際に、言葉も文化も違うタイにおいては、テーマが抽象的だと建設的な議論ができず、”数字の指標(KPIの見える化)”が必要になります。

“数字の指標”を元に、共通の認識を持つことは、タイ人との関係性を築く上で非常に重要になってきます。

現場のタイ人からは「機械を増やして欲しい」や「人を増やして欲しい」といった声が多い

現場を定量的に把握するために、「機械設備の稼働状況を正確に把握」と「生産進捗の把握」が重要になります。

機械設備が止まっている時間の合計を把握することで、現場が気づいていなかった状況を、数字で共有することで改善活動をに繋げていくことが可能になります。

製造現場において、多工程の工場では下記のような課題と常に向き合っています。

●上流工程が作りすぎる、下流工程が遅すぎる→下流工程で詰まる
●上流工程が遅すぎる→下流工程の手が空いてしまう

この課題をバランスよく調整することが、タイの製造に関わる日本人のミッションとも言えますが、詳細に現場を把握することは難しく、工場全体の最適化は非常に困難なものです。

例えば、1日1,000個作れる設備を持っていながらも、現場では600〜700止まりといった振れ幅も大きく安定しないため、翌月の生産計画が立てづらいといった声を聞きます。
「計画通りに進んでいない理由がわからない」といった状況で、現場のタイ人スタッフに聞いてみても、「機械を増やして欲しい」や「人を増やして欲しい」といった声が上がるばかりです。

そのため、タイ人に日報を書かせることが現場の把握に繋がるものですが、日報の書き漏れや場当たり的で事実よりも無難な記録、集計ミスや、タイ人特有の業務領域以外での責任回避により、日報の精度を上げることすら困難なものになります。
現場に張り付いて監視をするわけにもいかないため、ある程度の妥協を許す形でオペレーションを行っている工場も少なくありません。
監視カメラの死角で休んでいるといったことも起こっています。

そこで、製造現場の定量化を行う手段の一つが”見える化”を仕組み化するIoTです。

タイ人に依存しない”数字の指標”をIoTで作り、新しい共通言語が出来ることで、「機械を増やす・人を増やす前に、この停止時間を減らせないか」といった相談が現場で生まれます。

こうした改善により、40台の設備が各設備1日5分多く動いただけで1ヶ月で約70時間、1年で800時間の改善に繋がります。
機械設備や人を増やさずに、この数字が実現できれば、売上の向上やコスト削減、タイ人の人材教育に時間を当てるといったことが可能になります。

タイ現地化を行う上で重要な”製造現場の見える化”

「現場主導であんどんによる”見える化”を行ったものの、数字が見えるようになっただけ」や、「データを取得し、分析が出来ても、現場の改善活動にフィードバックがされない」といった、”見える化”後の活用に費用対効果が見出せずに、IoTの導入に躊躇しているといった声も少なくありません。

“見える化”とは、現場に目標値や実績値を表示することでしょうか。
あるいは、日々の報告を書き、まとめることでしょうか。
手段に目がいきがちですが、課題を洗い出し『現場を定量化』することです。

現場のオペレーションを変えるようなシステム導入や日本人主体の一方的な仕組みづくりは、タイ人が苦手とすることです。
日本のやり方で押し付けるのでは現地化が進まないと言われています。

不得意な点を伸ばそうとしても、なかなか成果が出ないように、何が良くて悪いのかを、タイ人の性格に合ったアドバイスを行う必要があります。

マラソンの選手(タイ人スタッフ)のコーチ(日本人管理者)を例にお話します。

例えば、マラソンの選手に対し”1分間の短縮”を目標設定した場合、「頑張れ!」と檄を飛ばすだけでは頑張りようがありません。
選手も決して手を抜いているわけではなく、毎日欠かさずにトレーニングを行っています。

コーチは選手の動きを分析し、ポイントを絞って改善箇所を提案するのが役目です。
“上り坂の部分で他選手よりペースが上がっていない”という分析結果があがれば、その弱点を補うトレーニングに時間を充てるという改善に直結します。
それでも目標に届かなければ、別の弱点を見つけ出すなどの分析が必要となります。

“見える化”を通じて本人が自覚をしていない課題を指摘し、改善方法を考えるという意味では、製造現場でも同様の事が言えます。

“見える化”を仕組み化すること

冒頭でお伝えしたように、IoTや生産管理システム等のIT製品はツールでしかありません。
タイ人の特性(得意・不得意)を理解した上で、IoTで出した”数字の指標”を元にした現場の課題を共有することが、工場の最適化=現地化に繋がります。

以上を踏まえ、IoTをなぜ導入するのか、IoTを導入した後のレポーティング支援、日本への稟議書のお手伝い等、弊社、ネクストインダストリーはタイにおいて、製造業向けのIoTを使った現場改善コンサルティングを強みとしている企業です。

IoTを活用した稼働実績モニタリングシステム「Dsync」を使ったソリューションにより、タイの製造現場の作業負担を軽減しつつ、工場内の生産効率・機械稼働率の向上が可能となります。

改善や現地化等でお困りの際にはご連絡をお待ちしております。


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