タイ製造業のIoT導入は管理会計の見直しに繋がる

タイ製造業のIoT導入は管理会計の見直しに繋がる

タイにおける作業日報の精度

製造業の利益の源泉は現場にあり、それはタイでも同様である。
しかし、タイの現場の課題として作業日報(作業報告書)の精度が低いという声をよく耳にする。

タイ人の作業日報への記入漏れや記入忘れが挙げられ、内容も満足するものではないといった理由だ。
不良内容についても、材料なのか金型、もしくは人的に寄与するものかわからないといったケースも多くあり、製造現場の管理者は何を改善すればよいのか、何が原因で不良になっているかを把握が出来ていない。

そのため、現場改善に当たり作業日報の精度を向上させることが重要になるが、何のために作業日報を書くのかを現場のスタッフに説明をしてもケアレスミスはゼロにはならない。

そういった課題に応えるのが、IoT(Internet of Things)の活用である。
IoTというと、工場の見える化といった概念的なイメージを持たれている方も多くいるが、現場レベルでいうと、目先のタイ人のケアレスミスをセンサーで解決するものでもある。
目先のリスクやコストを削減しつつ、長い目で見ると工場全体の最適化を行うことを可能にするものが製造業向けのIoTなのである。
例えば、作業日報を正確に現場のスタッフに書いてもらうのではなく、IoTで自動的にデータ取得を行うことで、現場の教育の手間が省け、なおかつオペレーションを変えずに作業日報の精度を向上させることができる。

こういった作業日報の見直し(改善・解決)は、製造業における管理会計の見直しにも直結する。
管理会計を作成する上で作業日報をもとにしたデータで必要な要素は、下記になる。

■必要な要素
1.加工部品ごとの総時間のうちの下記をデータ化
・段取り時間、作業時間、停時間、休憩時間等
・不良原因が材料か、金型か、人か
・加工するのに何人必要としたか
2.部品別に材料費、外注費、購入部品費等をデータ化
3.労務費は作業日報から算出
※勘定科目ついては一定のルールで按分

データ化した作業日報ができると、部品別のEBITDA(償却前営業利益)の管理ができるようになり、部品別のEBITDA管理ができるようになると、どの部品が赤字で、どの部品が黒字かが把握できる。
また、既存部品で同じような形状の部品は、どのラインで、何人で、時間当たり何個できるか、不良率は何%ぐらいかも把握できる。
IoTを活用したシステム導入により、上記のデータ化の半分以上が自動で可能となる。

定量的な判断が可能な管理会計が出来ているか

管理会計は任意な形式で作成できる企業会計であり、自社の部品別の原価管理は管理会計で十分である。
管理会計は主に原価計算と予算管理からなり、組織内部の様々な活動や組織の戦略に関連付けて考えられることが多い。
EBITDA管理表を作成し、現状を把握した上で見えてくる課題や改善方法を検討できるようにする事が管理会計の役目である。

管理会計の作成にはBIツールを導入することで必要な情報をいちはやく確認出来るので、迅速な対応が出来るようになる。IoTを活用してシステムに蓄積された大量のデータをBIで情報管理することで、トレーサビリティの実現や、会計業務の大幅な効率化が実現する。

また、各部門の業務システムに分散されたデータを、迅速に統合化でき、すぐさまデータ集計もできるようになれば、従来、熟練者しか出来なかった、生産調整に関する決定でも、データの視覚化で誰でも客観的に判断できるようになる。

製造現場の見える化・定量化を行う上で、IoTによって作業日報の精度が高まることで、管理会計の見直しを行うことが可能になる。
IoTを導入することで、着手するポイントが明確化し、段階的な課題の解決が可能になるのである。

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ネクストインダストリー株式会社 “タイ製造業にIoT導入を支援”
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