タイでシステム導入の成功確率を上げるために

タイでシステム導入の成功確率を上げるために

タイにおいてのシステム導入

タイは、自動車産業が主軸となっており、そこから派生して会計事務所や人材、生活面では学校や飲食業といった、さながら地方都市のような日本人コミュニティを形成している。
企業数は10,000社と言われ、在タイ日本人数は10万人にものぼる。

製造業の多い東南アジア・タイにおいて、日系システムベンダーは大手から中小まで含めると50社以上の企業が存在する。
どのシステムベンダーも製造現場の「見える化」を推めるにあたり、クラウドやIoT(Internet of Things)を使った新しいソリューションを提案している。
デバイスによる工場内設備の稼働状況の把握や、タブレットを使った現場管理といった見える化よる現場の改善で、すでに効率化やコスト削減のPDCAをまわしている企業もある。

つまり、日本の地方都市にある製造業と東南アジアにある製造業の抱える課題が交差する点は少なくない。
東南アジアだからこそ気付ける課題も多く、そこで培われたシステムやデバイスによる、ITソリューションの成功事例が逆輸入する形で日本の製造業を活性化させる日も近い。

それにも関わらず、製造業からは現状のシステムに満足をしていないという声をよく聞く。
導入費用が高いにも関わらず、なぜシステム導入のリプレイス(入れ替え)が起こるのか。
それは現場のタイ人に対しての「ローカライズ」と「サポート」に満足をしていないといった点が挙げられる。

本当にローカライズは出来ているか

そもそも、ローカライズとは国内の製品を国外でも同様のパフォーマンスで使用できるようにすることである。言語を翻訳するだけでなく、各国の課題に応じて機能を追加するなどして、サービスをブラッシュアップする必要がある。

タイだけではなく、東南アジアの製造現場では、日本では考えられないような課題が発生する。
例えば、人件費の安さによる人を使うことでのケアレスミスの発生や、システムを使用していないため問題の発見が遅れ事態が深刻化してしまうといったことがある。
また、システムを導入していも、タイの基準に合っていない点や日本のシステムベンダーのためアップデートが出来ないといった理由で本来のシステムの良さを発揮出来ていないケースもある。
こういったケースの多くは、日本の本社側で導入したシステムをそのまま海外拠点で使用しているために起こっている。現地スタッフの声を聞かずに日本側からのトップダウンでシステム導入を決めた場合も同様の問題が起こっている。

当たり前の話しではあり、システムベンダー側の問題ではないが、各国に合わせたローカライズが出来ていないのが現状である。

タイであればタイ人の現場スタッフが、使いやすいものかを考えなければならない。
システム導入前にExcelを使用していればExcelベースのシステムにし、極力、現場オペレーションを変えずに、タイ人側の導入に対するハードルを下げる必要がある。
デザインだけではなくシステムとオペレーションに対してのUI(User Interface)とUX(User experience)も重要になってくる。

また、システム導入の営業提案時もクライアント側にタイ人スタッフが同席し説明を求められることも多い。機能面や言語対応といった点だけだと、タイ企業のシステムと差別化がつかず、安価なシステムを選ばれるケースが多い。
1,000万円以上する高価なシステムよりも、スモールスタートが可能な、課題に応じてモジュールを追加できるシステムの方が反応も成約率が高い。
そういった要件定義を現地スタッフにどれだけアプローチできるかが鍵となる。

サポートは誰に対してのものか

製造業が多い工業団地と呼ばれる地域はタイのバンコクから二時間以上離れた場所にあり、日系企業が多いアマタナコーン工業団地のあるチョンブリ地区も約一時間半から二時間程かかる。
そのため、システムに問題が起きてから、どのような対応がとれるのかを心配する企業も多い。大手システムベンダーであれば、地方にあるメンテナンスベースのシステムベンダーに委託し早期対応を可能にしている。
タイ人同士で課題を解決をお願いされることも多いため、タイ人エンジニアの存在は欠かせない。システム導入の際にマニュアルを紙とデータで残し、属人化させないことも重要である。

また、システムやIT導入の投資回収を相談できるコンサルタントも必要である。
会計、生産管理、スケジューラー、インフラと個別に導入したため、小さな課題がそれぞれに発生しているケースもあり、そこで発生するコストに目をつむらざるを得ない場合もある。
そういった場合は、現状と課題を見える化し、ロードマップを引き直すと、一見、高くつきそうに感じるが、結果的にコストも導入までのスケジュールも最低限で抑えられる可能性がある。発生する課題解決がシステム導入ではなく、人材の入れ替えや教育が最優先ということもありえるのである。

システム導入の際には、システムそのものも重要だが、情報の収集や要件定義といった点でシステムベンダーを選ぶことで、よりシステム導入による現場改善の成功確率が高まるのである。

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ネクストインダストリー株式会社 “タイ製造業にIoT導入を支援”
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